■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■              月刊 海外ミステリ通信           第19号 2003年3月号(毎月15日配信) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ★今月号の内容★ 〈特集〉        「ミステリと街」シリーズ 第2弾 《ニューヨーク》 〈インタビュー〉    田口俊樹さん 〈注目の邦訳新刊〉   『シンデレラとギャング                  ――コーネル・ウールリッチ傑作短篇集3』             『鉤爪プレイバック』 〈ミステリ雑学〉    マンハッタンのミステリ専門書店 〈スタンダードな1冊〉 『八百万の死にざま』 〈速報〉        アガサ賞、ハメット賞ノミネート作品発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■特集 ―― 「ミステリと街」シリーズ 第2弾 《ニューヨーク》 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ニューヨーク。世界で最もドラマチックな都会――と、かつてウィリアム・アイリ ッシュが語った街。光と影が同居するこの大都会は題材が豊富で、ミステリの格好の 舞台となってきた。「ミステリと街」シリーズ第2弾は、数々の名作を生んだこのビ ッグ・アップルを特集する。一作家を取りあげたシリーズ初回とは趣向を変え、複数 の作家が描く印象的な街の風景を欲張りに紹介しよう。まず、西からミッドタウンの ウエスト・サイド。下ってロウアー・マンハッタンのチャイナタウンへ。そして東の イースト・リバー沿い。橋を渡りブルックリンへ。そしてニューヨークならば、歩く だけではなく、生活に欠かせない交通手段も忘れることはできない。地図や路線図が あれば、さあ、お手元にご準備を。                  ◎◎◎ ---------------------------------------------------------------------------- ●ウエスト・サイド〜街角からギャングが消えて……  ウエスト・サイドとは、マンハッタンの8番街よりも西側の部分だ。映画『ウエス ト・サイド物語』を思い出す方も多いだろう。対立するイタリア系ギャングとプエル トリコ系ギャングの狭間で、若い恋人同士が引き裂かれる悲劇だ。約50年前、映画撮 影当時は、実際に複数のギャング団が抗争をくりかえしていた。ハドソン・リバーに 臨むウエスト・サイドは古くからの工場地帯で、1800年代の中ごろには多くの移民労 働者がやってくるようになった。彼らは人種ごとに結束し、やがて互いに対立するギ ャング団ができあがったのだ。映画のロケ地となったスラムは、現在のリンカーンセ ンターあたりだが、今となってはかつての面影をみることはできない。それどころか オペラ座や劇場、ジュリアード音楽院が集まり文化の殿堂とさえいわれている。ここ より北には若者に人気の店が並ぶコロンバス街が延びる。そして反対側、南側にある のが「ヘルズ・キッチン」だ。ここではつい15年ほど前までギャングが勢力を保って いた。南は西34丁目、北は西59丁目のあいだのこの地域は、1820年ごろの政治家の名 をとったクリントンというのが正式な地名だが、直訳すれば「地獄の台所」であるヘ ルズ・キッチンという異名のほうが幅を利かせ、「無法地帯、犯罪多発地帯」として 掲載している辞書もある。しかしここでも1990年ごろに最後のギャングが掃討されて 以来、再開発が進んでいる。ハドソン・リバー沿い、西34丁目から西39丁目にまで達 する巨大なジャビッツ・コンベンション・センターはその代表格だ。  現在のヘルズ・キッチンの様子を描いていると思われるのが、ジェフリー・ディー ヴァーの『ヘルズ・キッチン』(澁谷正子訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)だ。主人公 ジョン・ペラムは、犯罪多発地帯だったヘルズ・キッチンの歴史をテーマにした映画 を作るためにハリウッドからやってきて、72歳のエティ・ワシントンと知り合う。撮 影は快調だったが、彼女のアパートが放火され全焼。エティ自身が放火を仕組んだと して逮捕されてしまった。ペラムはエティの無実を証明するために真犯人探しをする うちに、急激に変わりゆくこの街で、自分の居場所を求めてもがく人々と出会う。  のさばっていたギャングが消えて15年足らず。ヘルズ・キッチンの再開発は、まだ 完成していない。ウエスト・サイドは、これからも変化を続けていくようだ。                                 (唐澤涼子) ◇アマゾン・ジャパンへ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150795584/bookswhodunit-22 ◇bk1へ http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-bkswhod00154&bibid=02263861 ---------------------------------------------------------------------------- ●チャイナタウン〜S・J・ローザンが描く女性探偵の“故郷” 「ニューヨークでは、四十七丁目が長年、宝石取引の要の位置を占めてきた。現在も それに変わりはなく、ミッドタウンでは、黒いコートを着た正統派ユダヤ教徒が握手 だけでダイヤモンド取引を行う姿をいまだにしょっちゅう目にする。しかし、キャナ ル・ストリートがそれに追いつきそうな勢いで伸びていた」(『新生の街』p.318)  ソーホー、リトル・イタリーの南を東西に走るキャナル・ストリートは、チャイナ タウンの北の境界線とされる通りだ。女性探偵リディア・チンのオフィスも、この通 りに面している。西隣のトライベッカ地区に住む相棒の白人男性ビルと息のあったと ころを見せてくれるリディアは、登場人物の言葉を借用すると“ABC(アメリカ生 まれ{ボーン}のチャイニーズ)のおねえちゃん”。リディアの故郷はアメリカ以外 のどこでもないのだが、中国のしきたりを尊重する生活を送っている。2つの文化を 背負う身には苦労が多い。磁器盗難事件に絡み、体を張ってマフィアと渡り合っても、 価値観にギャップのある中国生まれの母親からは理不尽な説教をされる。新進デザイ ナーへの嫌がらせの調査では、マイノリティへの偏見を露骨に見せつけられる。それ でも顔をあげて颯爽と街を歩く姿からは、自分のルーツに対する誇りがたしかに感じ られる。“ここ十年でチャイナタウンはしみのように広がった”というこの街には、 いまやリトル・イタリーの中まで漢字の看板を並ばせる勢いがある。ゴールドラッシ ュ、大陸横断鉄道敷設工事後に西海岸で中国人排斥運動が起こり、東の地に移ってき たチャイニーズが、モット・ストリートを中心に街を形成し始めたのは1870年代のこ とだった。人種のサラダ・ボウル、NYの中でも独特な文化を維持し続けるチャイナ タウンには、現在15万の住民が暮らしている。リディアの目に映る街――角の定位置 に陣取る占い師、漢方薬が並んだ薄暗い薬種店、搾取工場帰りの女たちが露店の野菜 や果物をたくましく値切る姿、中華鍋で熱々になっている菓子を売る屋台、絶えるこ とのない雑踏からは、移民たちが誇りにする祖国の息吹が伝わってくる。シェイマス 賞・アンソニー賞受賞の栄誉に輝く著者は、チャイナタウンを始めとするNYの風景 とそこに暮らす人々の横顔を鮮やかに切り取って見せてくれているのだ。 リディア・チン&ビル・スミス・シリーズ 『チャイナタウン』『ピアノ・ソナタ』『新生の街』『どこよりも冷たいところ』 すべてS・J・ローザン/直良和美訳/創元推理文庫(奇数巻の語り手がリディア)                                 (三角和代) ◇アマゾン・ジャパンへ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488153046/bookswhodunit-22 ---------------------------------------------------------------------------- ●イースト・リバー〜対岸に見えるのは希望か、それとも絶望か  マンハッタン島の東を流れるイースト・リバーは、対岸にクイーンズ、ブルックリ ンといった住宅地があるためか、西側のハドソン・リバーに比べて橋が多い。なかで も多数のワイヤーを駆使した吊り橋であるブルックリン橋は1883年完成と古く、マン ハッタンのシンボル的な建造物のひとつ。この橋のブルックリン側のたもとには〈リ バー・カフェ〉という店があり、ここから一望するロウアー・マンハッタンが名物な のだそうだ。名前はカフェでもれっきとしたレストランなのでそれなりに値段は張る が、特等席から極上の夜景を眺められるとなれば、一度訪れてみたくなる。  さて、イースト・リバーに沿ってアッパー・イースト・サイドへ足を運んでみると、 ジョギングやサイクリングにも向きそうな整備された遊歩道が延びている。この川べ りのベンチにある朝、ひとりの青年が坐り、あたりの風景を見渡す。デイヴィッド・ ベニオフの『25時』(田口俊樹訳/新潮文庫)に登場する場面である。 「鉄橋、緑の川、赤いタグボート、石造りの灯台、クウィーンズの煙突と倉庫。それ らはみな、明日の夜、さらにそのあと七年にわたって毎夜、眼を閉じたときに、心に 描きたいものたちだ」(p.16)  ハンサムで誰からも愛され、思い通りのものを手にしてきた青年モンティは、麻薬 の売人として裏で名を馳せてきた。だが今、麻薬不法所持の罪で翌朝には刑務所に送 られようとしている。モンティは恋人や父親と別れのことばを交わす。夜には高校時 代からの親友であるウォール街の金融マンのフランク、高校教師のジェイコブと食事 をし、ナイトクラブで憂さ晴らしをする。そして夜明け前、ふたりを連れてふたたび イースト・リバーの川辺に戻ったモンティは、フランクにあることを頼む。  20代の若い白人にとって、刑務所で過ごす7年は地獄にも等しい。出所するときに は別人のようになっているだろうと、すでに覚悟を決めている。作中でモンティがあ ちこちへ移動するのは、家族や友人だけでなく、慣れ親しんできたマンハッタンと決 別するためでもある。なかで一番心に焼きつけておきたいのは、とりたてて珍しくも ない川沿いの眺め。そこにひとりの青年の素顔が、ふと表れているようだ。                                 (影谷 陽) ◇アマゾン・ジャパンへ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102225218/bookswhodunit-22 ◇bk1へ http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-bkswhod00154&bibid=02065382 ---------------------------------------------------------------------------- ●ブルックリン〜生粋のブルックリンっ子が語る街の姿  ブルックリン橋の先に広がるのは、昔ながらの下町であるブルックリンだ。1646年 にオランダの東インド会社が認めたBreuckelen (Broken Land) が起源である。その 後入植者はオランダ人からイギリス人に変わり、1683年にキングス郡の一部になった。 1834年に市となり、1898年にNY市として合併されている。 『マザーレス・ブルックリン』(佐々田雅子訳/ハヤカワ・ミステリアス・プレス) の舞台となるのは、このような歴史のある古い街だ。ブルックリンで生まれ育った著 者ジョナサン・レセムは、鮮やかな日常のひとこまを次々と見せてくれる。  まず、移民の街の名の通り、住民たちの出身地が様々なこと。ポーランド人にちな んだプラスキ橋、ジャマイカ黒人風のガードマンを雇うブルックリン病院。主人公の ライオネルは孤児で、国籍どころか母親さえ不明。アラブ系、ヒスパニック、アジア 系や黒人も話に加わり、賑やかなことこの上ない。後で述べるが日本人も色々と出番 がある。  登場人物たちは、歩きながらでも食事できるようなメニューにこだわる。ここがま たNYらしい。イタリア系女性が作る総菜屋には口コミで人が列をなす。スミス・ス トリートにあるサンドイッチ屋では、カイザーロールとターキーのサンドイッチをマ スタードたっぷりで味わえる。ちなみに店員はライオネルの言う「二流の」移民であ るドミニカ人。86丁目と3番街の角にある店での、ホットドッグ(4個!)とパパイ ヤジュースの食事風景もある。  ライオネルは少年のころ、イタリア系のフランクに拾われ、定期的に「仕事」をも らうようになる。トゥーレット症候群という障害を理解してくれたフランクを彼は慕 っていた。ある日、仕事の途中でフランクが殺される。そこには日本の怪しげな禅の 団体や巨人のポーランド人が絡んでいる。彼は「フリーク(化け物)」と言われなが らも、危険を顧みず事件の全容を暴いてゆく。  この小説は、彼が「言葉のチック」と呼ぶ強迫神経症的で独特な語りで進められる ため、却って躍動感が生まれ、NYの像が鮮やかに浮かび上がる。読むうちに海を越 え、本当にNYの裏道を散歩しているような気分になる1冊だ。                                 (大越博子) ◇アマゾン・ジャパンへ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4151001522/bookswhodunit-22 ◇bk1へ http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-bkswhod00154&bibid=01928017 ---------------------------------------------------------------------------- ●ニューヨーク地下鉄〜小説で知る今と昔  ニューヨーク名物数あれど「汚い、うるさい、危ない、揺れる」と4拍子揃った地 下鉄のことは誰でも知っている。しかし、近年になって着々と環境改善が進んでいる のはご存じだろうか? 日本の川崎重工業は昨年末までに1230輌の新型車両をNY市 に納入済みで、将来は保有車輌約5800輌のうちの3割が川重製のハイテク車輌に入れ 替わる。安全面でもNY市警察が1995年に組織を改革。地下鉄全線をマンハッタン4 管区、ブロンクス2管区、クイーンズ2管区、ブルックリン4管区の合計12管区に分 けて所轄、およそ3000人の警官が1日380万人という利用者の安全を守っている。  さて、小説の話だった。このNYの地下鉄を舞台にした作品をふたつばかりご紹介 したい。ジョンストン・マッカレー『地下鉄サム』(創元推理文庫 1959)は、1916 年頃から "THE DETECTIVE STORY MAGAZINE" に掲載された読み切り短編を集めたもの。 大正時代に翻訳紹介されて以来、アメリカ本国よりも日本で評判をとった。NYの地 下鉄専門のスリとして生計を立てるサムと、いつか尻尾をつかんでやると息巻くクラ ドック刑事が繰り広げるコミカルで人情味ある作品が10篇。わかりやすく言えばルパ ン三世と銭形警部の掛け合いといった方がピンとくるかもしれない。ただ残念ながら この作品、現在版元品切れ中。地下鉄が舞台なだけに日陰もの扱いか、と悲しくなる が旧き良き時代のNY人情噺はぜひ、探してでも読んでいただきたい名作古典だ。  新しいところでもう1冊。マイケル・デイリーの『ニューヨーク地下鉄警察(上・ 下)』(扶桑社ミステリー 1997)は、1986年の地下鉄が舞台。主人公のジャック・ スワンは35歳。安月給に喘ぐ“太っちょ”で妻子持ちの地下鉄警官の彼が、あるとき 逮捕活動中に誤って犯人の黒人少年を死なせてしまう。ここから、彼の人生が大きく 変わる。“太っちょ”スワンがダイエットでスリムな体型になり、1万ドルを借金。 《ブルックス・ブラザーズ》のスーツで勤務につくわ、美女同伴で高級ホテル《プラ ザ》や高級レストラン通いを始めるわと、蝉の幼虫が地上に這いだし羽化するかのよ うなスワンの変化が暗示するものは何か。ニューヨーク階級社会の虚妄を暴く――と いっちゃあ陳腐に過ぎる。不思議な感動を呼ぶ異色の地下鉄小説だ。                                 (板村英樹) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■翻訳家インタビュー ―― 田口俊樹さん ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ニューヨークにこだわるミステリ作家ローレンス・ブロック。そのブロックの作品 のほとんどを訳されてきた田口俊樹さんに、代表作であるマット・スカダー・シリー ズに対する思いや、ニューヨークに行かれたときの印象をうかがった。 +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+ |《田口俊樹さん》1950年生まれ。早稲田大学文学部卒。『死への祈り』(ローレ| |ンス・ブロック/二見書房)、『神は銃弾』(ボストン・テラン/文春文庫)、| |『カール・マルクスの生涯』(フランシス・ウィーン/朝日新聞社)、『パナマ| |の仕立屋』(ジョン・ル・カレ/集英社)、『刑事の誇り』(マイクル・Z・リ| |ューイン/ハヤカワ・ミステリ文庫)など訳書多数。ほかに『おやじの細腕まく| |り』(講談社)や『ミステリ翻訳入門』(アルク)といった著書がある。   | +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+ ――田口さんとマット・スカダー・シリーズとの出会いは「バッグ・レディの死」と いう中篇だそうですが、そのときの思い出をお聞かせください。 「あれが《ミステリマガジン》に掲載されたのは1979年でしたか。まだぼく自身が駆 け出しで、ブロックの別のシリーズ“泥棒バーニイ”の訳書が出たころでした。スカ ダーものはすでに本国で長篇が3作出てたけど、あまり売れてなくてね。ぼくもじつ は読んでなかった。で、『バッグ・レディの死』を読んだら、エンタテインメントに もこんないい人情話があったのかと思いましたね。つらい人生を送ってきた庶民の生 活がリアリティをもって描かれていて、なかなか泣かせる話です。あれが掲載された あと、鮎川哲也さんから“いまのミステリの水準の高さをしめす作品だ”とお褒めの 言葉をいただきました。宮部みゆきさんもあの作品でスカダーに惹かれたとおっしゃ っているみたいですね。そういうのを聞くと、訳者としてうれしくなります」 ――以後、順調にスカダー・シリーズを訳されているわけですが、読者として好きな 作品はどれですか? 「やはり『八百万の死にざま』、『聖なる酒場の挽歌』それに『慈悲深い死』の3作 ですね。『慈悲深い死』はミステリとしてもうまくできてると思うけど、『八百万〜』 なんかはそういう部分では大したことない。でも、新聞記事を使ってニューヨークの いろんな死を描いてるのがうまいんだよね。さんざん書いたわりには、スカダーの感 想は“なんとね”だけなんだけど(笑)」 ――では、訳者として思い出深い作品はどれですか? 「これもやはり『八百万の死にざま』でしょうねえ。最後のシーンはいまだに憶えて ます。ずっと言えなかったせりふを最後の最後で言うでしょう? 言えなかったのに もこだわりがあるわけですよね。AA(アルコール依存症自主治療協会)の禁酒の手 引きに、“神よ願わくば、自分で変えていけるものを変える勇気と、変えられないも のを受け入れる落ち着きと、そのふたつを見きわめる知恵を与えたまえ”というのが あるんです。それまで西洋人って個人主義で自己をちゃんと持っていて、自信家ばか りだと思ってたけど、この禁酒の心得は自分が無力なのを認めなさいって言ってる。 それがちょっとおもしろかったな。あ、西洋人にも弱いやつがいるんだなんてね」 ――舞台となるニューヨークに行かれたときのことをお聞かせください。 「はじめて行ったのは1991年です。そのあとにもう1回行ってます。ずっとブロック を訳してきたのに、それまで行ったことがなかったんですよ。ニューヨークを舞台に した作品を訳しているから、さぞかし詳しいんだろうと原稿の依頼を受けたこともあ りますが、編集者と話してるうちに『いや、まだ行ったことないんです』なんて言っ て驚かれたりしてね。じっさい行ってみてよかったですよ。こんな感じかなと勝手に 思ってたところが全然ちがってたりして、そういうのを修正できたし」 ――ニューヨークではどんなところを見てまわられたのですか? 「マンハッタンのなかだけですが、あちこち歩いてまわりました。スカダー行きつけ の〈アームストロングの店〉に行ってみたり、ジャン・キーンが住んでた通りを歩い てみたり。名作の旅みたいな感じでね(笑)。最初に行ったときはまだ治安がよくな いころでした。42丁目あたりなんか昼間でもちょっと怖かったですね。5、6年前に 行ったときは少しよくなってて、最近息子が行ったんですが、夜中に地下鉄に乗って も怖くなかったなんて言ってましたよ」 ――今後の訳書の予定を教えてください。 「ロレンゾ・カルカテラの『ギャングスター』が新潮文庫から出ます。ニューヨーク のギャングの100年におよぶ歴史を題材にした小説です。それより、早川書房から出 るチャールズ・バクスターの長篇のほうが先かもしれません。ほかに、アフリカを舞 台にした女探偵のノンフィクションもあります。あまりにできすぎた話で、本当にノ ンフィクションかと疑っちゃうんですけどね。ほろっとさせるいい話なんです」 ――ローレンス・ブロックの翻訳の予定はありますか? 「最新作の "SMALL TOWN" もぼくが訳します。来年の早いうちには出したいと思って います。ニューヨークへのオマージュというか、ブロック自身のあの街に対する愛情 が感じられる作品に仕上がっています。9・11同時多発テロ後のニューヨークが舞台 ということで、商売上手だなあなんて思ったんですが、じつは違った。以前から書い ていたけど、あの事件で書けなくなって中断していたらしい。また、日本独自編集の 短篇集を出す企画もあります」                      (取材・文/山本さやか、中西和美) ★このインタビューのロングバージョンが、Web版でご覧になれます★ http://www.litrans.net/whodunit/int/tagu.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■注目の邦訳新刊レビュー ――『シンデレラとギャング                   ――コーネル・ウールリッチ傑作短篇集3』                 『鉤爪プレイバック』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『シンデレラとギャング――コーネル・ウールリッチ傑作短篇集3』  コーネル・ウールリッチ/門野集訳  白亜書房/2003.01.31発行 1800円(税別)  ISBN: 4891726695 《短篇の名手、ウールリッチの妙技をご堪能ください》 『幻の女』(ウィリアム・アイリッシュ名義)や『黒衣の花嫁』で知られ、生涯のほ とんどをマンハッタンのホテルで暮らしていた孤高の作家、コーネル・ウールリッチ。 その短篇集全6巻の刊行が、昨年から白亜書房より始まっている。彼の作品はこれま でも数多く翻訳されているが、ウールリッチ研究の第一人者であり、今回翻訳も担当 した門野集氏が中心になって作品を選定しただけに、初訳の作品もいくつか収められ て、通好みの魅力的な短篇集ができあがった。良質の作品をまとめて読めるので、ウ ールリッチの世界を満喫できる。  本作に収録されているのは7篇。昨日まで顔をあわせていた人物が突然姿を消し、 自分以外のまわりの人間全員が「そんな人ははじめからいなかった」と証言するウー ルリッチお得意の消失ものや、無実の罪をかぶせられた友人を限られた時間内に助け だそうとするこれまた得意なテーマの作品、身分違いの恋を描いた本邦初訳のロマン ス小説など。注目なのは、こども向けの冒険サスペンスが2篇収録されていることだ ろう。殺人課の刑事から窃盗担当に降格された父親に手柄をたてさせようと、友人と 一緒に近所で死体を捜しはじめる息子の話「ガラスの目玉」、留守番の暇つぶしに間 違い電話の相手をしたために、とんでもない事件に巻き込まれてしまう少女の話「シ ンデレラとギャング」がそれだ。こんなわくわくどきどきさせられる物語を読んだこ どもは、きっとミステリのとりこになってしまうはず。  ウールリッチの描写の上手さから、どの作品も冒頭からすんなり物語に入り込める。 平凡な人間がいきなり事件に巻き込まれて渦中の人となってしまうストーリーは、サ スペンスにあふれ、その緊張感は最後までとぎれない。なかにはちょっと切なくなる ような結末の話もあるが、ラストシーンはどれも洒落ている。登場人物たちの最後の せりふがきまっていて、思わずにやりとさせられるのだ。20世紀初めのパルプマガジ ンで人気だった作家らしい作品ばかりだ。                                 (清野 泉) ◇bk1へ http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-bkswhod00154&bibid=02279618 ---------------------------------------------------------------------------- 『鉤爪プレイバック』 "CASUAL REX"  エリック・ガルシア/酒井昭伸訳  ヴィレッジブックス/2003.01.20発行 880円(税別)  ISBN: 4789719804 《恐竜探偵ヴィンセント・ルビオ、恐竜カルト教団に挑む》  恐竜探偵ヴィンセント・ルビオが再びお目見えだ。このシリーズは、絶滅していな かった恐竜が人間サイズに進化して、ラテックスでできたヒトの扮装――いわば着ぐ るみ――に身をつつみ、人々に悟られぬよう立ち交じって暮らしているという奇想天 外な設定になっている。  第1作の『さらば、愛しき鉤爪』では、ロサンジェルスで私立探偵事務所を共に経 営していたアーニーが事故死して数か月、その死の事情をヴィンセントはニューヨー クまで追って行った。謎の多い事件とその解明というミステリとしての要素もしっか りしたハードボイルドで、全編に散りばめられたシニカルな笑いが好評を得た。  2作目の今回は、アーニーがまだ健在だったころの話である。離婚して、ひとり事 務所で寝泊まりするアーニーだが、別れた妻には未練たっぷり、依頼を詳しく聞く前 からタダで引き受けてしまうほどだ。アーニーの元妻の依頼とは、弟のルパートがカ ルト教団〈祖竜教会〉に入信し、行方不明になっているので、捜しだして連れ帰って ほしいというもの。ヴィンセントとアーニーは入信希望者を装って教団内部に入りこ み、捜しはじめる。案外あっさり見つかったルパートは、ヴィンセントたちの手元で 専門家によってマインドコントロールを解かれ、自宅へ帰ったのだが、どういうわけ か自殺してしまう。不審に思ったヴィンセントたちはさらに教団内部での調査をすす める。教団のカリスマ的存在、ギリシア神話の魔女の名を持つキルケーに翻弄されな がら、二人が見たものは……。  今回も、ページを繰るごとに恐竜たちの人間っぽさについ頬がゆるむ。街娼あり、 ドラッグクイーンあり、ヤク中ならぬハーブ中あり。それに、恐竜のくせにヘビを見 ると、悲鳴をあげて逃げ惑うのだ。恐竜そのままの姿を取り戻そうと主張する教団信 者たちとの対比がいっそう可笑しみを増す。明かされる犯罪はなかなか凶悪で、恐竜 おそるべし、と思わせるが、作品最後の一言には胸をつかれるので、ご用心。  訳者あとがきによると、鉤爪シリーズ第1作がテレビに登場するらしい。当初の計 画より遅れているそうだが、ぜひ日本でも放映してほしい。また、3作目の "HOT AND SWEATY REX" が今年の秋には刊行される予定になっている。                                 (水島和美) ◇アマゾン・ジャパンへ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4789719804/bookswhodunit-22 ◇bk1へ http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-bkswhod00154&bibid=02272932 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■ミステリ雑学 ―― マンハッタン、ミステリ専門書店ガイド ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  アメリカにはミステリ関係の本だけを扱う、ミステリ専門書店がある。新刊はもち ろんのこと絶版本やサイン入りの初版本なども販売し、定期的にサイン会も行ってい る。正確な数は分からないが、独立系ミステリ専門書店主協会(IMBA)に加入し ている店だけでもアメリカ全土で60軒ほどあるようだ。今回は特集の舞台であるニュ ーヨークの、マンハッタン地域にある4軒のミステリ専門書店を紹介しよう。 ●《MURDER INK》 ------------〈 http://www.murderink.com/Search.bok?category=Signed+Firsts 〉  アッパー・ウエストのブロードウェイに面した西92丁目と西93丁目の間にあり、ア メリカで最も古いミステリ専門書店だ。前述したIMBAが主催する賞の名前の由来 となったディリス・ウィンが、1972年に創業した。コレクター向けに豊富に取り揃え られた絶版本やサイン入りの初版本の中には、スー・グラフトンの本のように10万円 近い金額の商品もある。オーナーは何度か代替わりし、その中にはブロードウェイの 女優ジョスリン・オルーク・シリーズを書いたジェーン・デンティンガーがいる。彼 女の作品は『そして殺人の幕が上がる』他2冊が日本でも紹介されている。 ●《THE BLACK ORCHID BOOKSHOP》----------〈 http://www.ageneralstore.com/ 〉  アッパー・イーストの1番街と2番街の間にある東81丁目にあり、毎月2、3度サ イン会が行われ、英国の本も幅広く扱っている。ところでこの店の名前、ミステリ専 門書店らしくないと思われるかもしれない。だがネロ・ウルフのファンが毎年12月に 開く集会も「ブラック・オーキッド・バンケット」と呼ばれていて、アメリカのミス テリ・ファンにはおなじみのようだ。  レックス・スタウトが創造したネロ・ウルフは蘭と美食を愛する巨漢の安楽椅子探 偵で、助手のアーチー・グッドウィンが集めてきた情報を元に、西35丁目にある自宅 からほとんど出ることなく事件を解決する。代表作としては『腰ぬけ連盟』や『料理 長が多すぎる』などがあげられる。 ●《MYSTERIOUS BOOKSHOP》-----------〈 http://www.mysteriousbookshop.com/ 〉  ミッドタウンの西56丁目にあり、オーナーは編集者や評論家としても有名なオット ー・ペンズラーだ。自身もコレクターであった彼は、早くからミステリ小説のサイン 入り初版本の価値に気づき、サイン入り初版本を頒布するクラブを作った。これが先 駆けとなり、他店でも同じようなブッククラブが作られるようになった。  ペンズラーが編集したアンソロジーには『殺さずにはいられない』や『復讐の殺人』 (共にハヤカワ・ミステリ文庫)などがあり、雑誌『ミステリマガジン』(早川書房) では彼のコラムが毎月読める。ペンズラーは書店のほかに出版社も経営し、ミステリ の古典の復刻版を出版している。 ●《PARTNER & CRIME》---------------〈 http://www.crimepays.com/index.htm 〉  グリニッジ・ヴィレッジのグリニッジ・アベニューとチャールズ・ストリートの角 にあり、4軒の中では一番大きな書店である。店内には椅子などが置かれ、ゆっくり と本が選べるようになっている。サイン会の他にも様々なイベントが開かれ、往年の ラジオドラマを再現する催しも月に1度行われている。このイベントに関しては、ロ ーレンス&ナンシー・ゴールドストーン夫妻による『旅に出ても古書店めぐり』(浅 倉久志訳/ハヤカワ文庫NF)で詳しく紹介されている。  ニューヨークに行くことがあれば、この4軒の店にも足を向けてみてはどうだろう。 探していた本が見つかったり、お気に入りの作家に会えたりするかもしれない。                               (かげやまみほ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■スタンダードな1冊 ―― さまざまな孤独のかたち ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「この腐りきった、くそ溜めみたいな市(まち)に何があるのかわかるかね? 何が あるのか? 八百万の死にざまがあるのさ」(p.187)  凶悪犯罪が蔓延し、警察官など日々犯罪に直面している者がこう言わずにはいられ ないような街。新聞には毎日たくさんの悲惨な死にざまが載るような街。『八百万の 死にざま』(ローレンス・ブロック/田口俊樹訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)は、そ んな街としてのニューヨークが舞台になっている。  元警官で無免許探偵のスカダーはある日、ヒモと別れたいという娼婦キムの依頼を 受ける。キムが怖がっていたヒモのチャンスは予想に反して冷静な男で、その件はあ っさりと片がついた。ところがその直後キムは全身を切り刻まれた死体となって発見 される。警察は自分に容疑をかけるだけで満足し、まともに捜査をしないだろう。そ う考えたチャンスから、スカダーは真犯人捜しを依頼された。事件のことを調べてま わるスカダーに手を引けという警告が届き、裏に大物が関わっている可能性も出てく る中、同じ手口で男娼が殺害される。はたして二つの事件につながりはあるのだろう か。  探偵マット・スカダー・シリーズの5作目で、第2回シェイマス賞を受賞した作品。 本書でのスカダーはアルコール中毒でかつぎこまれた病院から出てきたばかりで、A A(アルコール依存症自主治療協会)に通い始めたところだ。数日しらふでいられた かと思えばまた飲んでしまう。飲めば死ぬ状態だというのに、なぜ酒をやめなければ ならないのかがまだわかっていない。  読んでいると、淡々と語られる登場人物それぞれの孤独が胸に迫ってくる。あてが われたアパートに唯一自分で飾ったものは、孤独の描き方が気に入ったエドワード・ ホッパーのポスターだというキム。自宅は電話のベルも呼び鈴も鳴らないようにして あるチャンス。そして過去の事件がきっかけで、刑事でいることも父親でいることも いい夫でいることもやめてひとりになることを選んだスカダー。  暗く重い内容にもかかわらず本書に強くひかれたのは、本書に出会ったときの私が、 自分は何をしたいのだろう、この先何をし、どうなっていくのだろうという不安の中 でひとりもがいていたからかもしれない。そんな私にとって、スカダーの「なぜ仕事 を請けたのか――それが私の仕事だから」という言葉が印象的だったのだ。スカダー にとっては、キム殺しの犯人を捜すことは酒を飲むかわりに自分にできることだから という意味だが、今目の前にあることをやるしかないという言葉はそのときの私には 納得できるものだった。そしてスカダーが身をおいている闇にラストでひと筋の光が 射すのを見たとき、このあと彼がどうなっていくのかが知りたくなったのだ。  冒頭に紹介したせりふを言う刑事ジョー・ダーキンや、AAでの友人ジム・フェイ バーといった、このあと長くスカダーとかかわり続けることになる人物との出会いが 本書には描かれており、現在15作目まで出ているシリーズの中でも早いうちに読んで いただきたい作品である。 (花田美也子) ◇アマゾン・ジャパンへ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415077451X/bookswhodunit-22 ◇bk1へ http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-bkswhod00154&bibid=00572473 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■速報 ―― アガサ賞、ハメット賞ノミネート作品発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●アガサ賞ノミネート作品発表  マリス・ドメスティック主催によるアガサ賞のノミネート作品が発表になった。全 5部門のうち主要3部門のノミネートは以下のとおり。受賞作は、5月2日〜4日 (現地時間)に開催される、ヴァージニア州アーリントンにおける第15回マリス・ド メスティック・コンベンションの席上にて発表される。  また、エリザベス・ピーターズに生涯功労賞が授与されることが決定している。  ▼最優秀長篇賞   "YOU'VE GOT MURDER"       ドナ・アンドリューズ   "DEATH OF RILEY"        Rhys Bowen   "BLUES IN THE NIGHT"      ロシェル・メジャー・クリッヒ   "THE BODY IN THE BONFIRE"    キャサリン・ホール・ペイジ   "THE GOLDEN ONE"        エリザベス・ピーターズ  ▼最優秀処女長篇賞   "NOT ALL TARTS ARE APPLE"    Pip Granger   "SIX STROKES UNDER"       Roberta Isleib   "BEAT UNTIL STIFF"       Claire M. Johnson   "HOW TO MURDER A MILLIONAIRE"  Nancy Martin   "IN THE BLEAK MIDWINTER"    Julia Spencer-Fleming   "SHADOWS AT THE FAIR"      Lea Wait  ▼最優秀短篇賞   "Dognapped"           ロバート・バーナード(EQMM/June 2002)   "Devotion"           ジャン・バーク(18)   "What He Needed"        ローラ・リップマン(TART NOIR)   "The Dog That Didn't Bark"   マーガレット・マロン(EQMM/December 2002)   "Too Many Cooks"        マーシャ・タリー(MUCH ADO ABOUT MURDER)  詳細については以下のサイトを参照してほしい。  http://www.malicedomestic.org/ ●ハメット賞ノミネート作品発表  国際推理作家協会北米支部主催によるハメット賞のノミネート作品が発表になった。 受賞作の発表は、6月14日(現地時間)、オタワで開催されるブラッディ・ワーズ・ ミステリ・コンベンションの席上にておこなわれる。   "JOLIE BLON'S BOUNCE"      ジェイムズ・リー・バーク   "THE EIGHTH DAY"        ジョン・ケース   "FLYKILLER"           J・ロバート・ジェインズ   "BAD BOY BRAWLY BROWN"     ウォルター・モズリイ   "HONOR'S KINGDOM"        Owen Parry                                (山本さやか) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■編集後記■  当メルマガの創刊は2001年9月15日。創刊時から「ミステリと街」特集ニューヨー ク編のアイディアはあったものの企画化には至りませんでした。なにやら騒がしくな ってきたこの時期に特集を組んだのも、不思議な巡りあわせかもしれません。今号で 編集人が交代になります。4月号からもどうぞご愛読ください。      (片)  次号より編集人を引き継ぐことになりました。これからも新作からスタンダードま で、海外ミステリを幅広くご紹介していきます。来月号の特集はMWA新人賞。ノミ ネート全5作品のレビューを一挙にお届けします。            (ま) ********************************************************************  海外ミステリ通信 第19号 2003年3月号  発 行:フーダニット翻訳倶楽部  発行人:うさぎ堂 (フーダニット翻訳倶楽部 会長)  編集人:片山奈緒美  企 画:板村英樹、大越博子、影谷 陽、かげやまみほ、唐澤涼子、      小佐田愛子、清野 泉、中西和美、松本依子、水島和美、      三角和代、山田亜樹子、山本さやか  協 力:出版翻訳ネットワーク      小野仙内      花田美也子  本メルマガへのご意見・ご感想:  whodmag@office-ono.com  http://www.litrans.net/whodunit/bbs/wdlight01/light.cgi  フーダニット翻訳倶楽部の連絡先: whodunit@mba.nifty.ne.jp  http://www.litrans.net/whodunit/  配信申し込み・解除/バックナンバー:  http://www.litrans.net/whodunit/mag/  ■無断複製・転載を固く禁じます。(C) 2003 Whodunit Honyaku Club ********************************************************************