2009年11月刊行
本書は物語に登場する家族のモデルのひとり、マリカ・ブラインを共著者として、ヨーケ・ファン・レーウェンが描いたものです。 1969年、カサブランカ。モロッコでは、学生や市民による抗議活動がさかんになっていました。 ジマのお兄さんもその活動をしていたひとり。 ある日、いつも夕食には帰ってくるお兄さんが戻りません。待っても待っても――。 季節がふたつ過ぎ、お兄さんが牢獄に入っていることを知る家族。 けれど、決して自由には会えず、兄さんは牢獄の中にいても意志を貫く。 そして、もうひとりのお兄さんも……。 物語として昇華されたなかに、人間の尊厳を問うメッセージ性だけではなく、ふだんの日常生活の楽しみや悲しみも描かれ、読みごたえのある作品となっている。 ヨーケ・ファン・レーウェン Joke van Leeuwen
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2009年10月刊行
主人公の少女ナイマは、バングラデシュの伝統的絵画アルポナを描いたら村では右に出るものがいないといわれています。 祝日には家の前の敷石や小道にアルポナを描きます。国じゅうでベンガル語の美しさを祝う「国際母語の日」に一番上手にアルポナを描いた女の子には賞が贈られることになっているそうです。 ナイマは妹、お母さん、お父さんの4人家族です。お父さんはリキシャにお客さんを乗せて運ぶ仕事をしています。新しいリキシャを買い、もっとお客さんを増やそうしているところですが、たくさんの借金をしてリキシャを買ったため、お父さんは日中ろくに休むことなく仕事をしなくてはいけませんでした。ナイマは思います。私が男の子だったらお父さんのかわりにリキシャをひけるのに、と。しかし女の子がそんなことをすると家族に恥をかかせることになるのです、村はそういうところでした。ナイマはお金にならない絵を描くことがつらくなっていきます……。 113ページの短いお話です。余白もたっぷりとってあるページはとても読みやすく、挿絵も物語の雰囲気をよく伝えています。ナルマがお父さんを助けたいばかりにとる行動はハラハラするもので、読んでいて思わず目をつむってしまったほど。けれど、行動を起こすことによって、いままでとは知らない世界、人との出会いもあるのです。物語にはバングラデシュの女性の希望の光をもたらしたマイクロファイナンスで自立しようとしている女性が登場し、ナイマに影響を与えます。マイクロファイナンス、2006年グラミン銀行のムハマド・ユヌス総裁にノーベル平和賞が贈られて注目を集めたことを覚えているでしょうか。「小口の融資をおこない、それを元にしてお金をかせぐための基金です」と作者あとがきで説明しています。 ミタリ・パーキンス Mitali Perkins
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2009年9月刊行
ジョセフィーヌはカンガルーです。 ダンスが大好きで、いつも楽しくおどっていました。 ある日、住んでいる町にバレエの公演がおこんわれることになり、練習をのぞいてみました。これがバレエ! さっそくマネしはじめます。 そんな時、ケガで出られなくなったダンサーがひとりでました。ジョセフィーヌは果敢に代役を希望して……。 弟になんどもカンガルーはダンスするんじゃなくてピョンピョンってとぶんだよといくらいわれても、ジョセフィーヌは好きなものは好き! そして、好きなことをしているのってまわりも笑顔にしてくれるんですよね。 ページをくるごとに、なんだかうれしくなってきます。 あなたの好きなことはなあに? わたしの好きなものはなんだったかしら? ジャッキー・フレンチ Jackie French
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2009年2月刊行
表紙にちりばめられたピンク! 見返しもピンク! これは、きっとピンクが好きな少女の甘い話かな、と想像すると、いい意味で裏切られます。 主人公の少女、ビビはもちろんピンク大好き。ピンクのきらきらしたものがとっても欲しくてしかたないのです。 けれど、ビビは好きなものが好きなだけ手に入る環境ではありません。 ビビが「ピンクガールズ」とひそかによんでいる同級生の仲良し3人娘はピンク一色です。うらやましくてたまりませんが、ビビにはどうすることもできません。 ある日、ショーウィンドウに飾られたすてきにかわいいピンクのお人形をみつけました。 ビビはそれを手にいれるために、さまざまな工夫をこらします――。 子どもの物欲は時にとても強いものです。しかしながら、欲しい物を手に入れるのにお金が必要であれば、それは親の経済力がダイレクトに響いてくるのも現実。そんな現実との折り合いをつけるものは何でしょうか。 いろんなピンク色がページごとにでてきます。ビビの気持ちを反映させながら、カラフルな色がどんな変化をもちながら、ラストを見せてくれると思いますか? ぜひ、手にとってみてみてください。 ナン・グレゴリー Nan Gregory
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2008年12月刊行☆ 丑年につき期間限定帯つき ☆
原題は"Everywhere the Cow Says "Moo!" 丑年の初笑いにはぜひこの絵本を! 英語によるRAKUGOを広めている桂かい枝による、関西弁の翻訳です。 同じ動物でも、国によっては、なきかたが様々なのをご存知な方も多いと思います。 この絵本では、そんな動物たちを紹介しながら、牛でオチをつけていきます。 こんな感じです。すこし引用しますね。 なあ、しってる? イギリス、スペイン、フランス、日本での動物のなきかた比較は、なかなかに愉快です。 子どもたちに読んでいると、なきごえは、いつのまにかみんなで声を出してしまうほど。 巻末には、原語表記もあります。 楽しみながら、ちょっぴり外国語のお勉強もできる? でもお勉強というほど、かたくるしくありませんので、ご安心を。違う文化にふれる愉快な絵本です。 エレン・スラスキー・ワインスティーン (Ellen Weinstein)
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2008年12月刊行☆ 2008年コールデコット賞 オナー作品 ☆
ヘンリー・ブラウンは奴隷です。 奴隷には誕生日はありません。 だから、何歳なのかも自分ではわからないのです。 同じ血の通う人間なのに、歴然とした差別があります。奴隷制度がそうでした。 奴隷は、人間としてのまともな扱いをうけません。著者はしがきの言葉でいうと「テーブルや家畜、荷馬車などとおなじように」物あつかいされていたのです。 ヘンリーがまっすぐこちらを見ている表紙を開いてください。そこにヘンリーの物語があります。大判の迫力ある絵とともに、大事な忘れてはならない物語が――。 エレン・レヴァイン Ellen Levine
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2007年6月刊行
コロンビア、少年は銃をもち、引き金をひく、標的に向かって……。 フィクションだが、語られているボーイ・キルズ・マンはコロンビアでは現実にあること。子どもでも、生きていくために(それが家族であれ自分であれ)、本来すべきでない仕事に手を染めていく。ここで物語られている厳しい“今”――。 目の前にはいないかもしれない、けれど、確実にこの世界に生きている子どもたちの姿に思いを馳せた。銃をもつことがいけないという、しごくあたりまえの言葉を届かない世界。直線的に答えは見つからない。簡単に答えなど出ないし、解決の道のりとて険しい。それでも、この物語を通して出会ったソニーやアルベルトのことを考え続けていきたい。 【作】マット・ワイマン Matt Wyhman イギリス在住。おとなから子どもまで幅広い読者層の小説、児童文学作品の執筆するかたわら、ティーンエージャー向けの雑誌で相談コーナーを多数もち、サウジアラビア、ロシアでワーショップを開くなど、多方面にわたって活躍中。作品に、"Man
or Mouse"、"Columbia Road"、"Superhuman,"XY","The
Wild"、"So Below"などがある。
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2005年12月刊行
主人公ガブリエルは、アルゼンチンから移民してきた12歳の少年だ。両親が子どもたちは、ユダヤ人の多いイスラエルの地で生活することを選んだのだ。しかし、ガブリエルは友人らの輪になかなか入ることができない。それどころか、お前は「バッタだ」とののしられる。なぜ、ここに移ったのだろう。日々の生活に楽しみを見いだせないガブリエルの前に、アラブ人の少年、ハミッドと出会う。ハミッドと出会ったことで、ガブリエルは毎日が楽しくなった。おしゃべりをし、一緒に勉強をし、なにをやりたいか未来を二人で夢想した。ところが……。 著者、ドリッド・オルガッドさんは「日本の読者のみなさんへ」という文章を寄せられ、そこでこう書かれています。 「地球というこの小さな星で、たとえ民族や宗教がちがっても、子ども同士が仲よくなるのは、ほんとうはあたりまえのことですよね」 しかし「おとなたちの事情」で、仲よくなるのが難しいこともあるのです。ガブリエルとハミッドもそうでした。しかし、2人は互いを大事に思い、真の友情を交わします。その友情の絆が、大きな事件を防ぐことになったのです。 仲よくなる――このシンプルな事が難しい。それが民族同士の紛争のもたらしたものです。物語を読みながら、その難しさに頭をかかえたくなりますが、それでも人の心を動かすのもまた人なのだと、またシンプルな所に戻らせてくれるのもこの2人でした。好きな人を、友人を大事に思う。表紙の2人を見ていると、その気持ちをいつも思い出します。 【作者】ドリッド・オルガッド Dorit Orgad
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Last Modified: 2009/09/101
担当:さかな
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