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2008年3月刊行

郵便屋さんの話:表紙  郵便屋さんの話

カレル・チャペック 作
関沢明子 訳
藤本将 画

ISBN 978-4-89432-425-1
定価:本体1333円+税


チェコを代表する劇作家でもあり、小説家でもあるカレル・チャペック。
チャペックは11編の童話を書き、本書は1931年に発表された短編集に収録された1編に、日本人の画家が描きおろした絵が入った、単行本です。

コルババさんという郵便屋さんが、ある日、自分の仕事にやる気をなくしてしまいます。郵便物を配達しても、手紙の内容はどうでもいいものばかりだし、郵便局は退屈でワクワクするような事柄は何もおきない、そんな風に思ってしまい、つい、ストーブの横で居眠りをしてしまいます。ふと気づくと、なんともう夜更け。もちろん同僚はみな帰ってしまいました。ネズミが走り回るような音で目をさましたのですが、目をこらしてみると、なんとネズミではなく、郵便局員の姿をした小人です。なおもみていると、小人たちは、自分らの郵便仕事が終わり、トランプをはじめました。札は手紙です。信書の秘密があるので、中をあけることはできない手紙ですが、小人たちは特別な力でもって、トランプをすることができたのです。コルババさんは小人たちの前に姿をあらわし、その秘密を聞くことができました。そのことが、コルババさん助けることにつながっていくのですが、もちろんその夜には気づいていません……。

仕事に喜びを見いだせなかったコルババさんが、小人たちと偶然出会うことによって変化がおこります。無味乾燥に思えた手紙にも真心がこもっているものがあるのです。
心をこめて書かれた手紙のもたらす幸福感――これはいつの時代にもあるのではないでしょうか。

お話もキュートなのですが、挿絵もすばらしくステキなんです! 中間色の色あいが、チェコのイメージにぴったりですし、郵便屋さんのコルババさんも、きっとこういう容姿だろうと納得できてしまう。縦書きの文字組も読みやすく、ルビもあります。すべてのページに絵が入っているので、小さい子から楽しめるでしょう。

そして、本のつくりも見逃せません。本のカバーはぜひ全部開いてみてください! 帯かと思ってしまう絵も折られているだけで、すべて一枚の絵になる豪華さ。

ブックポートさんのサイトでは、本の中身もご覧になれます。[Link]

【作】カレル・チャペック (1890-1938)
プラハのカレル大学で哲学と美学を学んだ後、ジャーナリストとして活動。その一方で、小説、戯曲、エッセイ、旅行記、童話など幅広いジャンルにわたる多彩な作品を発表。代表作に『RUB(ロボット)』『山椒魚戦争』『園芸家12ヶ月』『ダーシェンカ』など太通。兄のヨゼフ・チャペックも、画家、評論家で、「チャペック兄弟」として親しまれている。

【訳】関沢明子(せきざわ あきこ)
1942年兵庫県に生まれる。出版社勤務を経て、1984年〜1986年プラハ在住。現在、絵本や人形劇の翻訳、原画展の企画など、チェコおよびスロヴァキアの子どもの本を日本に紹介する仕事に従事する。訳書に『コブタくんとコヤギさんのおはなし』(福音館書店)、『リスとアリとゾウ』(BL出版)など。東京都在住。

【画】藤本 将(ふじもと すすむ)
1950年長崎県に生まれる。イラストレーター、デザイナー。現在、イラストレーションの活動と1998年にオープンした、オリジナルショップ「Aiken Drum」の雑貨や洋服のデザインを手掛ける。手製本の絵本に『ゾウさんゾウさんウサギさん』がある。東京イラストレーターズ・ソサエティ会員。東京都在住。



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Last Modified: 2008/3/24
担当:さかな
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