
子どもの本だより No.4 1998.1.29

外は寒くても、家の中では温かい家族の団らんの時間が長く持てるこの季節、古くから伝わる昔話や、わらべうたを楽しんでみてはいかがでしょう。
昔話
日本昔話百選 稲田 浩二・稲田 和子 編著 三省堂 (本体1650円+税)
日本各地に伝わる昔話を、百話集めたものです。「なら梨とり」や「鶴女房」「こぶとり爺」など、私たちがよく知っている日本の昔話が、ある程度地方の方言を残した生きのよい語り口調の文章で収められています。桃が「ドンブリ、カッシリ、スッコンゴウ」と流れて来たり、瓜姫コが「トッキンカタリ、キンタカリ」と機を織ったりするなど、擬音・擬態の言葉も聞いていて楽しい昔話を、ぜひ子どもたちと一緒に味わってみてください。
だいくとおにろく 松井 直 再話/赤羽 末吉 画 福音館書店 (本体743円+税)
あるところに、とても流れの速い大きな川があった。何度橋をかけても流されてしまうので、村人たちは困り果て、この辺で一番名高い大工に橋かけを頼むことにした。大工は、一度は引きうけたものの心配になって、橋をかける場所へ行き、「どうやって橋をかけようか」と考えていた。すると流れの中からぶっくりと鬼が現れ、代わりに橋をかけてやると言うのだが――。起承転結のはっきりした昔話で、最後の大工と鬼のやりとりは何度聞いても面白く、幼い子どもたちの大好きな絵本です。
ウクライナ民話 てぶくろ エウゲーニー・M・ラチョフ え/うちだ りさこ やく 福音館書店 (本体800円+税)
おじいさんが、雪の中に落としていった片方のてぶくろ――。最初にもぐりこんだのは、くいしんぼねずみです。それから、ぴょんぴょんがえるがやって来ました。はやあしうさぎも、おしゃれぎつねも……。次々にやってくる動物たちをうけいれて、てぶくろは、今にもはじけそうです。そこへ最後のお客が「のっそりぐまだ。わしもいれてくれ」と声をかけました――。小さなてぶくろの中に不思議にもきちんと収まってゆく動物たちの絵は、何ともユーモラスで、とぼけた味わいをこのお話に与えています。
わらべうた 日本の伝承童謡 町田 嘉章・浅野 建二 編 岩波文庫 (本体600円+税)
幼い頃に、まわりの人達に唄ってもらったわらべうたは、心地よく、心に深く根ざし、一生涯忘れ得ないものになります。現在、わらべうたを全く知らないで育つ子どもも増えていますが、「ずいずいずっころばし」や子守唄など、少しでもなじみのあるものから、子どもたちと一緒に唄ってみて下さい。楽しく、自然に口ずさめるようになると思います。(長らく品切れになっていましたが、このほど復刊されました)
お知らせ
作家との集い『子どものこころ 詩のこころ』
<参加自由 無料>
お話:工藤 直子さん
日時:3月26日(金)午後2時〜3時半
場所:東京都児童会館4階講堂 先着100名様(当日受付)
なお、引きつづき午後4時より子どもの本の店にてサイン会を行います。