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子どもの本だより No.21 2000.4.5

ランドセルをしょったペンギン

 花々が咲き始める春。今回ご紹介する絵本の主人公たちも、みな希望に胸をときめかしています。


まりーちゃんとひつじ
文・絵 フランソワーズ 訳 与田 準一 岩波書店(本体640円+税)

 小さな女の子まりーちゃんは、ひつじのぱたぽんがこどもを産んだら、その毛を売ってすきなものがなんでも買えると考えています。二ひき産んだらくつを買える、三びき産んだらぼうしを買える、六ぴきなら、七ひきならと、まりーちゃんの空想はどんどんふくらみます。でも、ひなぎくの花が咲き、おひさまがいちんちきらきらする、はらっぱに住むぱたぽんは、なんにもいらないのです……。リズミカルにくり返されるふたりののんびりしたやりとりを聞いているうちに、私自身も緑の原っぱにいるようなあたたかい気持にさせられてしまいます。


おそざきのレオ
ロバート・クラウス 文 ホセ・アルエゴ 絵 今村葦子 訳 あすなろ書房(本体1300円+税)

 表紙には、目の覚めるような青空の下、色とりどりに咲く花の中に、ちんまりと座る、とらの子レオ。ちょっと困ったような、でも少し誇らしげな表情はユーモラスで、目があってしまったら中を開いてみないわけにはいかないようです。書くことも、読むこともできず、食べることさえ上手にできないレオにやきもきする父さんと、それをたしなめる母さん。そして文字通り“おそざき”だったレオにも花開く時がやってきたのでした――。1ページにほんの2・3行で綴られる物語をひっぱるのは、やはり絵の力です。子ども達に不動の人気を誇るアルエゴの絵はとぼけた味わいと色彩の美しさが相まって、独特の世界を印象づけます。


ようちえん
ディック・ブルーナ ぶん・え 石井桃子 やく 福音館書店(本体600円+税)

 ――あかくて あおくて きいろくて、とてもきれいなようちえん――こんな素敵な幼稚園で楽しく遊ぶ子どもたちの賑やかな声が聞こえてくるような絵本です。黒い髪のさーるちゃんは組み紙遊びが得意だし、あーはちゃんは絵を書くのが大好きで、黒板にすてきな絵を書きます。積み木がお気に入りなのは、けーしぇ・こーるちゃん。この本を読んでもらう子どもたちも、きっとこの幼稚園で思いっきり遊ぶことでしょう。


くんちゃんのはじめてのがっこう
ドロシー・マリノ さく まさき るりこ やく ペンギン社(本体950円+税)

 「ぼく きょうから一ねんせいなんだ」――と喜び一杯のくんちゃんも、教室に入ってからは段々心細くなってしまいます。でも、その日学校でしたことは、自分の名前と同じ音で始まる言葉を言ったり、その絵を書いたりすることでした。いつの間にかくんちゃんの心配もなくなります。ドロシー・マリノの絵は、くんちゃんのその時の心情を細やかに表現しており、くんちゃんの喜びや期待感、不安感などがとてもよく伝わってきます。


がっこう
ジョン・バーニンガム 作 谷川 俊太郎 訳 冨山房(本体583円+税)

 表紙に描かれている、かばんを肩にかけた男の子の表情を見てください。全身から学校へ行く喜びがあふれ出ています。「がっこうとは、よみかたやかきかたを習い給食を食べ、遊んで、友だちができて、それから家へ帰る所」めりはりのある短い文章にも、幼い子どもたちの学校へのあこがれの気持があふれていると思います。



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