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子どもの本だより No.33 2001.8.10

花火の絵

 夏休みに入ってから、「本をあまり読まない子どもに何か良い本はないですか?」という相談を頻繁にうけています。
 リンドグレーンやヤンソン、サトクリフやファージョン、それからアーサー・ランサム、ジュール・ベルヌ……など、その独特で美しい世界を知って頂きたい作家はたくさんいます。が、どうしても、今そこまで手が伸びないという子どもたちに向けて、こんな4冊はいかがでしょうか。
(私個人の考えとしては、いくつになっていても本を読まない子どもたちには、絵本を読んであげることから始めてほしい、と思っているのですが……) (吉田 真澄)


クワガタクワジ物語
中島みち作 筑摩書房 (\1359)

 「一寸の虫にも五分の魂」とはよく言ったものです。クワジと名付けられたコクワガタの雄は、飼主である少年の愛情に応え、何と三度の夏を生きぬきます。実際に観察した者にしかわからない正確さで、丹念に語られるクワガタの生態――に、驚き、感心しながらしだいに強くひきこまれていくのです。
 夏休み、ご家族皆様で楽しんで頂ける作品だと思います。


ペニーの日記 読んじゃだめ
ロビン・クライン作 安藤紀子訳 偕成社 (\1200)

 ピンクのドレスなんか見るだけでムカツクので、ジーンズをはいて髪の毛はハリモグラみたいに、つんつん立てているような女の子、ペニー・ポーランド10歳。これは、まるごと一冊彼女の日記です。一見、乱暴な様でいて、実はとても繊細で心優しいペニーの放つ生きた言葉が印象的です。


大どろぼう ホッツェンプロッツ
プロイスラー作 中村浩二訳 偕成社 (\900)

 1966年初版のこの物語を、私も夢中で読んだ記憶があります。奇想天外なエピソードを積み重ねつつ、少年カスパールとゼッペルが、ホッツェンプロッツを追いつめていく様は、正にドキドキ、ワクワク。ゲームやアニメーションに慣れた、現代の子ども達をも魅了する確かな一冊。


びりっかすの神様
岡田淳作 偕成社 (\1000)

 クラスでビリにならなければ見えない小さな男が、教室に住みついていました。その羽の生えた奇妙な男を見たが為に、全員が“びりっかす”をとろうと(勉強でも運動でも)一生懸命(?)になってしまったから、さあ大変――。結末をどうつけるかが、物語の見せどころとなるところですが、その解決策には説得力があり、小さな男の正体も、びっくりする程、洒落ていますよ。


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