
子どもの本だより No.28 2001.1.14

あけましておめでとうございます。
今月は今年の干支にちなんだ“へび”が主人公のお話をはじめ、愛情で結ばれた人と動物の姿を描いた絵本を紹介します。今年もどうか皆様に数多くの本との豊かな出会いが訪れますように――。今年もよろしくお願いいたします。 担当 吉田
へびのクリクター
トミー・ウンゲラー 中野完二 訳 文化出版局 本体971円
ルイーズ・ボド婦人は、誕生日プレゼントに息子から贈られたへびに、初めはびっくり仰天。でも、毒へびじゃないことを確認すると、クリクターと名付けて子どものようにかわいがります。自分専用のながーいベッドや、セーターを作ってもらって、ご満悦なクリクター。ボド婦人もとても幸福そうです。その上、クリクターは、町の子ども達にも大人気。(へびナンだからではありません。ちゃんと理由があるのです。)それにしても、泥棒を退治したクリクターに感心して町に銅像を建て、クリクター公園なるものまで造ってしまうとは……いやはや参りました! ――といった心境です。
ひとまねこざるときいろいぼうし
H.A.レイ 文・絵 光吉夏弥 訳 岩波書店 本体1420円
アフリカで暮らしていた、ひとまねの好きな子ざるジョージは、きいろいぼうしのおじさんに連れられて都会へやってきました。そこで、ジョージがまきおこす騒動は、誰もが一度はやってみたい事ばかり―― 消防署へ電話をかけたり、風船で空を飛んだり。ジョージはおじさんが大好きで、おじさんもジョージがかわいくて仕方ない―― だから、ほんとにピンチになった時にはおじさんがちゃんと助けてくれるのです。目まぐるしく変わるストーリー展開の中から、愛する人に無条件で受け入れてもらえる幸せをかみしめるのは、私だけではないでしょう。(小さなサイズの本も出ておりますが、大型絵本でダイナミックなジョージの活躍ぶりを楽しんで下さい。)
ぞうのババール
― こどものころのおはなし ―
ジャン・ド・ブリュノフ さく やがわ すみこ やく 評論社 本体1200円
かあさんを銃で撃たれたババールは、泣いているひまもなく森から逃げて大きな町へやってきます。そして、そこで出会ったお金持ちで、ぞうの気持ちなら何でもわかるおばあさんと一緒に暮らすことになるのですが――。高価な衣装を身にまとったババールの真摯ぶりは、とてもきまっていて、ジャングル育ちとは到底思えません。お話は、品の良いユーモアを交えながら(初めには大変な不幸に見舞われたババールですが)とんとん拍子にババールを王様にしてしまいます。“それを願わなくても、人生は君の味方だよ”とは、私がこのお話から感じとるメッセージで、この心地良い事に、背中を押してもらいながら、ババールのように、淡々と生きていきたいと、いつも思ってしまうのです。
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