
子どもの本だより No.18 2000.1.4

あけましておめでとうございます。
今年一年のみなさまのご多幸を心よりお祈り致します。年の始めにあたり、不幸や困難にも負けずに、主人公達が幸せを掴んだ絵本を三冊、ご紹介します。子どもたちには、どんな時も元気で前向きに生きて幸せになってほしいという願いをこめて――。
あおい目のこねこ
エゴン・マチーセン さく せた ていじ やく
福音館書店(本体1200円+税)
おなかをすかせたあおい目のこねこが、ねずみの国を探しに出かけるお話です。こねこは、いやなことがあっても、仲間はずれにされても、「こんなこと、なんでもないや」とすませ、「か 一ぴきでも、なんにもたべないよりましだ」と思うほど、常にたくましく前向きです。こねこは事件にまきこまれ、奇想天外な方法でねずみの国を見つけるのですが、これは読んでのお楽しみです。絵もユーモアたっぷりで、こねこの好奇心旺盛で楽天的な様子をよく表しています。
ボルカ
ジョン・バーニンガム さく きじま はじめ やく
ほるぷ出版(本体1262円+税)
ガチョウのポッテリピョン夫婦に、待望のあかちゃんが六羽生まれました。ただその中で、めすのボルカだけは他のひなと違って、羽がまるでなかったのです。ポッテリピョンのおくさんは、ボルカのためにセーターを編んでやりますが、他のひなたちには笑われてばかりで、やがてボルカは一人ぼっちになってしまいます。そして、さまよいながらボルカがたどり着いたのは、クロムビー号という名前の船でした。そこには、ボルカを温かく迎えてくれる船長や犬のファウラーがいました――。
ボルカの希望にあふれた新しい旅立ちで終わるこの絵本を読むたびに、私は心を励まされます。
ロバのおうじ
グリム童話より
M.ジーン・グレイグ さいわ
バーバーラ・クーニー え もき かずこ やく
ほるぷ出版(本体1311円+税)
ロバの姿に生まれたおうじは、立派な教育を受け、リュートを奏でることに秀でていましたが、その姿のせいで両親からも、だれからも愛されませんでした。おうじはある日、おうじの服をぬぎすて、リュートをぶらさげると、ロバっこのおうじでいなくてもすむ遠い所へ行くために、城をあとにします。そして長い旅のあと、あるお城で、おうじの音楽とありのままのおうじを受け入れ愛してくれる王さまやおひめさまに出会い、おうじはそこで最高の幸せをつかむことになるのです。おうじが言い知れぬ孤独感の中でも、自分に正直に淡々と生きている姿に私は深い感動を覚えると同時に、お話の最後では、ふるえるような幸せな気持を味わいます。
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