
子どもの本だより No.11 1999.6.11

長い間手に入らなかった「クマのプーさんえほん 第3集」が復刊されました。プーさんのお話は、どれも、ほのぼのとしていて、ユーモアがあり、それでいて人間が生きていく上での真実がいろいろな場面で語られています。この機会に是非プーさんに出会って下さい。一話づつ一冊の絵本にまとめられているので、とても読みやすいです。
トラー木にのぼる
「トラーは空とべる?」カンガの子ルーが聞きました。「とべるさ。でもとびたがらないだけさ。」「トラーはおよげる?」「もちろん、およげるさ。トラーは何だってできるんだから。」こんな問答をくり返し、「木のぼりなんか、トラーが一番じょうずなものなんだ。」と言ってしまったトラー。「トラーってものは(木に)のぼったり、おりたり一日しているんだ。」なんて、とても偉そうにしています。それで――そうです。もちろんトラーは、木に登ってみなければならなくなってしまいましたよ。それも、ルーをおぶってね。
プーあそびをはつめいする
「プー棒投げ」という新しい遊びに興じていたみんなが、河を流れていくイーヨーを見つけて、大騒ぎになるお話です――。お話の最後、いつもトラーに酷いめに遭わされているコブタがつぶやきます――「トラーは悪いやつじゃないんだよ、ほんとは。」「だれだってそうだよ、ほんとは。」とプーが答えました。「ぼく、そう思うんだ。でも、まちがってるかもわからない。」「もちろん、まちがってやしないさ。」クリストファー・ロビンが言いました――。
この場面はとても印象的です。みなさんは、どう思われますか?
ウサギまいごになる
ある日、ウサギがコブタに言いました。「トラーのはねっかえりときては、最近とくにはげしくなって、ぼくらがひとつ、教え込まなくてはならないときがきたんだ」コブタも、それは非常にいい考えだと思うと言い、そこに居たプーも含めて3人は、どういう風にトラーに教えこむか相談しました。そして、ウサギが「長い探検にトラーをつれていって迷い子にしてくる」という考えを出すのですが、結局迷い子になったのは……。
コブタのおてがら
ある風の強い日のことでした。プーとコブタがフクロを訪ねている最中に、突然強風がフクロの家もろとも木を吹き倒してしまったのです。家の中はめちゃくちゃになり、外には出られません。でもプーの思いついた名案により、コブタがひもにぶらさがって(今は)天井にある郵便受けから脱出して助けを呼びに行くことになりました。
フクロのひっこし
フクロの家が吹き倒された日から数日後、プーはあの大役を果たしたコブタのために、七番まである詩を書き上げました。一方、百町森の皆――ウサギやクリストファー・ロビンやカンガとルーやトラーたちがフクロの家の片づけを手伝っているところへ、イーヨーがやってきました。フクロの新しい家をみつけたと言うのですが、それはなんとコブタの家だったのです。
(今回ご紹介した5冊はすべて岩波書店発行、A.A.ミルン ぶん E.H.シェパード え 石井桃子 訳 各本体740円+税)
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