
子どもの本だより No.10 1999.5.26

佐渡でトキが生まれました。皇居のほとりでは、また今年もカルガモのひなたちが産声をあげていることでしょう。そんな季節にぴったりの、楽しくて面白い鳥たちのお話を3つご紹介します。
あひるのジマイマのおはなし ビアトリクス・ポター さく・え いしいももこ やく 福音館書店(本体638円+税)
人間にも動物にも、子育てのへたな母親がいます。ここにご紹介するあひるのジマイマも卵を抱くのが下手だったようで、なかなか自分の卵を抱かせてもらえないのでした。そのことを大変不満に思っていたジマイマは、ある日のこと、誰にも邪魔されずに卵を抱くことのできる場所を探しに出かけます。その途中で出会ったのが、ピンとつき立った耳とうす茶色のひげと太いしっぽの”紳士”でした。ジマイマはこの紳士を、大変お行儀のいい立派な人だと思い、卵を抱く場所を探していることをうちあけるのですが……。”紳士”が、その本性(きつね)を現した後半はスリル満点です。
がちょうのペチューニア ロジャー・デュボアザン 作 まつおかきょうこ 訳 冨山房(本体1400円+税)
永らく絶版で手に入らなかった『おばかさんのペチューニア』がタイトルも訳もあらたに出版されました。久し振りにこのお話を読んでみて、私は改めて「本当にペチューニアって愛すべきがちょうだ!」と思いました。
草地で一冊の本をみつけたペチューニアは『本を持ち、これに親しむものは賢くなる』という言葉を思い出し、それを”文字通り”実行するのです。本と一緒に眠り本と一緒に泳ぎ――。そのせいで、彼女の回りの動物仲間は、皆ひどい目に会うことになるのですけれど……。
「とっても面白かった」と言って本を閉じることのできる絵本です。
かもさんおとおり ぶんとえ ロバート・マックロスキー やく わたなべしげお 福音館書店(本体1300円+税)
クルマが激しく行き交う大通りを、かものマラードおくさんと、8羽の子どもたちが、横切ろうとする姿を見て、おまわりさんのマイケルさんは、びっくり仰天――本署のクランシーさんを電話に呼び出して言いました。「かもの家族が歩いていいます! パトカーを頼みます! 大至急!」そんな騒ぎをよそに、かもの親子は得意気に公園めざして、からだをふりふり進みます――。どんなことにも動じないマラードおくさんの母親としての自信――けれど、それはまわりの人間たちのあたたかさによって守られているものでもあるのです。セピア色一色で描かれた絵は主人公であるかもの家族はもちろんのこと、木や草などにも愛情が感じられいきいきとしてのびやかです。
岩波書店の児童書復刊
長らく品切れになっていた「クマのプーさんえほん第3集」を始め、「アーサー・ランサム全集 全12巻」「百まいのきもの」が6月7日復刊されます!!
本の郵送承ります
店にある本は即日発送、ない本はおとりよせします。ご注文は、ハガキ・FAX・TELにてどうぞ。
Copyright (c) 1999 Kodomo no Hon no Mise. All Rights Reserved.