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03597/03603 Ima 【感想】The Cider House Rules
(12) 00/06/08 14:47
15年ぶりくらいで読んだら、やたら時間がかかってしまいました。
The Cider House Rules by John Irving
Ballantine 1985, 598 Pages
ISBN 0-345-38765-1
難易度 ☆☆☆☆ おすすめ ☆☆☆☆☆(5つが最高)
<あらすじ>
1930年代、メイン州セントクラウズ。
ラーチ医師は、望まぬ妊娠をした女性の堕胎(悪魔の所業)、手遅れの場合は出
産(神の所業)を引き受け、自ら公費で営む孤児院でひきとって育てている。
ほとんどの孤児は、養子にひきとられていくが、ホーマーという素直な少年と、
メロニーという大柄で強暴な少女だけは、何回縁組を試みてもいろいろな原因で
結局ラーチのところに戻る。メロニーは、ホーマーを盟友と考えている。
ある事件をきっかけに、ラーチはホーマーに堕胎や出産を手伝わせはじめ、ホー
マーは門前の小僧としてみるみる腕をあげる。
ある日、近郊の大リンゴ園の経営者の息子・ウォーリーとその恋人・キャンディ
が秘密裡の中絶のため、セントクラウズにやってくる。ホーマは同世代の二人に
親近感を覚え、誘いに応じ、そのリンゴ園で働くことを決意する。裏切られたと
感じたメロニーも、孤児院をとびだし、ホーマー探しの旅に出る。
ウォーリーとの友情とキャンディへの恋心に悩むホーマーであったが、ウォーリ
ーが戦争に志願し、二人を離れたことにより、キャンディと恋仲になる。そんな
時、ウォーリーがビルマで撃墜され行方不明、ほぼ絶望というニュースが飛び込
む。親に隠れながら関係を続けるホ−マーとキャンディだったが、キャンディが
妊娠してしまう。二人は収穫期を終えた頃、セントクラウズへラーチ医師の手伝
いという名目で数ヶ月を過ごし、キャンディは出産、その子を孤児院からホーマ
が養子にとったことにして、リンゴ園に連れて行く。ちょうどその日、ビルマで
ウォーリーが奇跡的に発見されたが、下半身不随だという電報が入る。
エンジェルと名づけた子供をリンゴ園につれ帰った二人のところにウォーリーが
戻り、キャンディと結婚するが.....
<感想その他>
私の米国文学ベスト3に入る作品。きちっと筋が通った、古典的なせつなく辛い
ラブストーリーの中に、「堕胎」の是非という深く思いテーマ(特にキリスト教
ベースのアメリカ人にとっては)を扱い、さらに近親相姦や時代背景として黒人
差別の問題もちりばめています。また、生きていく意味をほんのちょっぴり考え
させてくれます。
自分で書いてからいうのもなんですが、上のあらすじを読むととてもつまらなそ
うな、ありきたりの作品に思えます。しかしとても数行ではあらわせない、各エ
ピソードに細かくはられた伏線やプロット、それぞれの心理のあや、たっぴりの
アイロニーなど、さすが「20世紀のディケンズ」と呼ばれるアービングの真骨
頂発揮という感じです。(ディケンズの孤児を扱った作品も随所に登場)
余談ですが、はじめてこの本を読んだ時は、まだアメリカに足を踏み入れたこと
もない頃だったので、知らないことが多かったというなかなか新鮮な発見があり
ました。例えば、孤児院でのホーマーは、メイン州で暮らしているのに、海を見
たことがない、ロブスターを食べたこともない、これがウォーリーとキャンディ
にどれほどの驚きであったことか、などなど。昔の本を読み返すのもいいもので
すね。
映画も、見た時はすごく良かった気がしましたが、小説を読んだあとで比べてみ
れば、かなり希薄な印象は拭えません。American Beautyにはかないませんね。
00/06/07 21:35 Ima
やっと今年4冊目完了
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