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02750/02751 福内来来 【読後感1】dream boy
(12) 00/02/29 18:28 コメント数:1

 こんにちは、初めての読後感です。

 Jim Grimsley "Dream Boy"
 (SCRIBNER PAPERBACK FICTION 1997 195p)
 ISNB 0-684-82992-4

【あらすじ】
 両親と共に、ある田舎町に移り住んだ少年ネイザン。町に来て初めての
日曜日の礼拝で、キリストの像を眺めながら、彼は隣家の少年を思い浮か
べる。穏やかな微笑み、たくましくなめらかな腕。彼は、大家の息子ロイ、
少年よりも二歳年上だ。二人は徐々に親しくなり、ネイザンはロイに心の
安らぎを見い出す。ネイザンにとって、家は安心できる場所ではなかった。
特に、父親のいる居間は。彼は、父を怖れていた。母親は、どこか頼りな
げではあったが、それでも、子と母には、まだ細いけれど絆があった。
 父の態度に恐怖と嫌悪を募らせたネイザンは、家を飛び出す。そんな彼
にロイが手を差し伸べ、彼らは友人と四人で裏の森にキャンプに出ること
にする。その土地にまつわる恐怖話をしながら、目的地に向かう四人。そ
の後に起こる痛ましい悲劇。

【感想】★★★★★
 とても美しい小説でした。あらすじには書きませんでしたが、非常に官
能的な小説でもあります。暴力的な場面もあります。それでも、全体が美
しいのです。薄明りの中の影、木もれ日、天使の像といった、(言葉は悪
いですが)小道具もそうですし、また、終りも美しいのです。
 読み終えた直後は呆然としましたが、暫くして気づくと余韻にひたって
いました。(いずれにせよ、ぼーっとしていたわけですが(苦笑))
 ネイザンは知らない間に、心の中に入り込んできます。彼は口数の少な
い少年で、ロイもある意味そうなのですが、そんな彼らだから余計になん
でしょうか、二人の微妙な思いは、読み手にも、ゆっくりと少しずつ、そ
して深く染みてくるのです。初恋のときめき、切なさ、とまどいみたいな
ものと一緒に。
 途中、何曲か賛美歌が出てくるのですが、それがまたとても美しく、ま
た深く、つい涙しそうになります。

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