Kissed A Sad Goodbye by Devorah Crombie
キンケイドシリーズ第6巻。
前作からKincaidの本当の子供と判明したKitの関係が出てき
ます。父親とし彼はどう対処すればよいのか。そんなとき殺
人事件がおきます。現場に急行しなくてはならないKincaidは
息子との約束を破ってしまいます。
殺人はというと、過去とのつながりが強いのでしょう、しば
しば過去が語られる形で話は進んでいきます。被害者の生活
が明らかになるにつれ、なるほど殺人が起きても仕方がない
と思わせる人物なんですね。もっとも最後には被害者の生き
方とGemmaの生き方が重なってきます。
このシリーズ、段々よくなってきているような気がします。
事件の解明は重要なのですが、それよりも事件に絡んだ人々
の生き方考え方がうまく書かれてます。そして主人公である
DucanとGemma、彼の子供Kitとの難しい関係もいいですね。
お勧めです。
Picard
日時:09/08 2003 09:27:08
mail:
"Kissed A Sad Goodbye"
Deborah Crombie
Bantam Books
April 1999
【あらすじ】
100年以上の歴史を持つハモンド紅茶のアナベル・ハモンドが他殺体で発
見された。ロンドン警視庁警視ダンカン・キンケイドと、公私共にパー
トナーである巡査部長ジェマ・ジェイムスが捜査に乗り出す。
プライバシーを自分の家族や婚約者にすら明かさなかったアナベル。
彼女の死によって、父親、妹、そのもと夫、婚約者、彼女と関係をもっ
ていたストリートミュージシャン、その父親で地元の名士フィンチの入
り組んだ関係が浮き彫りにされる。今は絶縁状態のアナベルの父親と
フィンチは、第二次大戦中疎開先で一緒に過ごしていた。疎開先で何が
起こったのか。アナベルの殺人との関わりとは。
【感想】
講談社文庫から刊行されている「警視シリーズ」の第6作。
翻訳されるのが待ちきれず、前作"Dreaming of the Bones"から原書(そ
れもハードカバー)で読んでます。
シリーズが進むごとに人物描写に重点が置かれ、推理ものというだけで
なく「小説」としても楽しめる作品になっています。
全編に渡り、いろいろな人物の話がちりばめられ、それが線となりクラ
イマックスへと向かっていきます。入り組んだ人物関係があきらかにな
るにつれ、さらに犯人が誰なのか分からなくなってきます。登場人物そ
れぞれに事情があり人生の選択を余儀なくされた様子が生き生きと描か
れ、誰が犯人であってもおかしくない。
この作品のもう一つの魅力は警視のダンカンとジェマの関係の行方で
す。
ダンカンは前作で前妻との間に息子がいることを知ったばかり。ジェマ
は3歳の息子を育てるシングルマザー。ダンカンは息子との関係に悩み、
ジェマは捜査中容疑者の一人に親近感を覚え、二人の関係はぎくしゃく
します。私も仕事を持つ母親の一人なので(娘も3歳)、ジェマが育児と
仕事の間で悩む姿には共感が持てます。
物事がドラマチックに起こりハラハラドキドキの展開という作品ではあ
りませんが、落ち着いて最後まで読みとおせる良い作品でした。いつも
ハラハラドキドキを追ってがつがつ読んでいる私が、普段以上の時間を
かけて読みました。(紅茶を飲むシーンが多いのでよく紅茶を飲みなが
ら読んでました。)読み終えての満足感が心地よい。次の作品が待ち遠
しいです。
Yuri
(No.72)
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