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02010/02016 うの 【読後感】Amsterdam
(12) 99/11/01 20:28


Ian McEwan (c)1998
Amsterdam
Nan A. Talese/Doubleday
ISBN 0-385-49684-6


 レストラン評論家,写真家で才女のモリー・レインが急逝し,追悼の会に
彼女の「元彼」三人も出席していた。音楽家のクライブ・リンレイ,新聞編
集長のバーノン・ハリデイ,外務大臣のジュリアン・ガーモニーだ。夫の
ジョージも三人が妻の元彼であったことは知っている。
 クライブとバーノンは親友で,二人共ジュリアンを(政治家として)好き
でない。クライブは千年紀記念の交響曲の作曲を依頼されていて,その初演
が迫っており,残りの部分の作曲や,手直しに追われている。
 ジョージは金持ちの出版家で,バーノンが勤める新聞の株を数パーセント
持った株主でもある。ある日,ジョージはバーノンを自宅に呼び,亡き妻が
撮影した,ジュリアンの女装姿の写真を見せ,記事にしたら新聞も売り上げ
があがるだろうし,ジュリアンを失脚させることもでき,一挙両得だと持ち
かける。バーノンはその気になるが,クライブは賛成できない。
 バーノンは写真をトップ記事に仕立て上げるが,土壇場でどんでん返しを
くらって編集長の地位を失い,会社を追われる。
 他にも理由があってクライブとバーノンは仲違いしていたのだが,和解
し,クライブは交響曲の初演にバーノンを招待する。二人は初演前夜のパー
ティで顔を合わせる。


 結局モリーの夫のジョージが元彼三人に対する鬱憤を晴らしたような結末
になるのですが,それは結果としての話で,ジョージがそこまで計算できた
ような話ではありません。主に描かれるのはバーノンとクライブ,中でもク
ライブの描写が多く,音楽の話がたくさん出てきます。音楽と新聞編集に興
味がある人(妙な取り合わせ(^^ )には興味の深い話ではないかと思いま
す。延々と描かれることの理由が後から示されるスタイルですから,読みや
すいかと言われると……。
 題名のアムステルダムはクライブの交響曲の初演の場所だからというのは
いかにも理由が弱いと思われるでしょう。そのとおりで,オランダにあると
いうのが大きな理由(ますます分からない?)で,それを使いたいがために
こしらえた話という印象を受けました。その理由自体は重いテーマなのです
が,これも読んでのお楽しみの方がいいかも。


うの [CL-0081]


01029/01030 HAROU 【レビュー】Amsterdam
(12) 99/03/28 20:27

 みなさま、こんにちは。HAROUです。
 読書会も始まりました、Ian McEwan のブッカー賞受賞作、「Amsterdam」
を読みました。

  Amsterdam by Ian McEwan (Vintage Random House 1999 178pp)
ISBN:0-09-928957-1 UK L4.99

 ・あらすじ
  Molly Laneという女性が亡くなり、その葬式でかつての恋人やその夫らが
顔を合わせるところから、この物語は始まる。作曲家のClive Linley
(独身)、ジャーナリストでThe Judgeという新聞を出している
Vernon Halliday(妻と恋人がいる)、議員の Julian Garmony (福祉関係の
仕事をしているRoseという妻がいる)、そしてMolly の夫の George Lane。
 Clive は今度アムステルダムで行うコンサートのために新曲を書いている
途中である。だが、酒を飲んだり、譜面に向かってもいまひとつやる気が出
ずに、仕事を先延ばしにしたりしている。久しぶりにVernonと出会い、
ちょっと話をしたり電話をかけたりとやりとりが始まる。Vernonの方は、
仕事のことばかり考えているタイプである。やや神経症的なCliveを気にし
ている。
 Mollyの葬式が終わってしばらく後、Georgeから遺品を整理していたら
おもしろいものが出てきたからと、Vernon は連絡を受ける。それは、
Mollyが撮影した Garmonyの写真であったが、「女装」した姿でのもので
あった。スクープである!新聞にこの写真を載せるべきか否か、Vernon は
Clive に相談するが、曲のことが気になるCliveはあまり話を聞いてくれな
い。作曲のために、湖水地方へ旅行する予定も入っていたのだ。
 結局、写真はThe Judgeの金曜日の紙面にトップで掲載される。だが、
そのまえにGarmonyの妻が福祉関係の取材を受けた時にスピーチめいた
コメントを発表し、大きなスキャンダルにいたらずに終わる。逆に、この
スクープを載せた、Vernonのほうが窮地に立たされることとなる。
 さて、湖水地方へ旅行したCliveだが、ヒバリのさえずりを聞いて一瞬
すばらしいフレーズが浮かんだと思ったのもつかの間、男が女性を襲って
いる場面に遭遇し、予定をきりあげ、早々にロンドンに戻ってくる。この
事件が、連続して起こっている暴行事件のひとつであると知ったVernonは
警察へいって証言すべきだとすすめるが、Cliveは断る。だが、酒を飲み
つつ作曲を続けるClive のもとに警察がやってくる。
 そして、アムステルダムでのコンサートの準備が始まった・・・・・・

 ・感想
 イギリス版のPBで読みました。なんだかとてもつらい話でした。一人の
女性の残した写真が、過去の男たちの人生を狂わせていく・・・・・・という話で。
議員の主人を守ろうとスピーチをする妻の姿が、某国の大統領を思い出させ
ました。
 ところで、イギリス版のPBを読んだのですが、これは表紙に18世紀
頃の決闘の場面が描かれています。実際には決闘の場面はありませんが、
なかなか暗示的だなあと思いました。

 とはいえ、かなり急いで読んだので、読み落とした部分がかなりありそ
うな気がします。ラストに近づくにつれてますますつらい状況になっていく
のがやるせない感じでした。

 それでは。


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