"American Pie" by Michael Lee West
HerperPerennial, 1996 P.324
amazon.comでアン・タイラーを検索していたときに「この本を買った人は
ほかにこんな本を買っている」リストにあったので、レビューを確認して
注文しました。Michael Lee Westのプロフィールは不明なのですが、女性
作家みたいですね。男性かと思ってた・・・
【あらすじ】
フレディはメキシコのバハ・カリフォルニアに夫と夫のアシスタント、ニナと
共に鯨の観察に来ていた。どうも夫と若い女性アシスタントの間に何かあるの
ではないか、ニナのなれなれしい振るまいにしっくりこないものを感じている
フレディ。一方、故郷のテネシー、タルラでは妹のジョー・ネルが飲酒運転の
すえ、列車に車の後部を轢かれ瀕死の重傷を負っていた。姉のエリナーからの
緊急電話を受けたフレディは夫とアシスタントを残して帰郷する。
エリナーとジョー・ネルはタルラで祖母と共にベーカリーを営んでいた。フレディ
は大学の医学部に在学中、研究室から臓器を盗んで退学になり、それ以来カリフォ
ルニアに住んでいる。父は事故死、母は自殺した。祖父は落雷による感電死。母
は二度結婚したが、どちらも亡くし、最後の恋人にも去られて精神を病んだ末の
自殺だった。
祖母のミネルバは次々ふりかかる災厄を呪いだと考え、病人や家族をなくした人に
料理を作って慰めることを自分の生きがい、そして自分自身の癒しにしていた。
帰郷したフレディはそこで昔の婚約者ジャクソンに出会い、くすぶっていた愛の
残り火を再び燃やしてしまうことになる・・・。
【感想】
エリナー、フレディ、ジョー・ネルの三人姉妹(「わたしのおすすめ」に書いた
姉妹の順番は間違ってました。エリナーが長女、フレディが次女、ジョー・ネル
が三女)とその祖母の個性がそれぞれ際立っているうえ、家族が次々と尋常でない
死に方をしてしまう一家という設定が非常に面白かったです。知的な学者肌のフレ
ディが研究室からお金のために臓器を盗んだ過去があるというのも意外だったし。
三女のジョー・ネルは対照的に女を武器に生きているような女性で三度結婚し、
一人は死亡、二人とは離婚している。重傷で入院しているあいだも医者とのラブ・
アフェアに燃えてしまうタフな女。エリナーは最も内向的で不安神経症気味。この
三人を色にたとえると、フレディはオフ・ホワイト、ジョー・ネルはショッキング
ピンク、エリナーはグレイといった感じ。一見、相容れなさそうな三人だが、や
はり互いに心のよりどころにしているらしいのは、姉妹のいないわたしから見ると
うらやましい部分でした。アメリカ南部らしい料理の名前やいろんなパイの名前が
出てきたりして、よだれが出そう・・・。よく出てくるペカン・パイというのは
一度食べてみたいな・・・。
ちなみに『American Pie』というのは実際にある歌のタイトルらしい。
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