「ハイペリオンの没落」 読書会

第12回


05710/05714 emu 【読書会】ハイペリオンの没落(最終回)
(12) 01/01/27 15:56 コメント数:1

みなさまこんにちは。最終回の進行役、emuです。
明日はいそがしいので、一日 早いアップです。

・・・・・・・・あらすじ・・・・・・・・・

44
 Keatsは肉体を失いはしたものの、その意識は健在であった。DureやGladstone
の夢に現れ、メッセージを伝えたあと、彼はハイペリオンのメタスフィアへと移
動する。
 Fatlineの通信機にGladstoneの姿が現れた。それは、全人類に向けられた、彼
女の最後のメッセージとなった。彼女はWebへの攻撃がOusterではなく、Coreに
よるものであったこと、Coreが転移ゲート間の空間に存在することを手短に説明
し、十秒後に全転移システムを破壊すると告げた。
 彼女の言葉通り、Force軍の総攻撃をうけWebが壊滅した。突然のWeb崩壊によ
り、宇宙は混沌の世界と化した。多くの惑星で暴動や内紛が勃発した。
Gladstoneはガバメントハウスに詰め寄る暴徒の前に姿を現し、怒り狂う群衆の
中に飲まれて消えていった。
 メッセージの送受信に不備が生じることなどありえないはずであったFatline
が、奇妙なメッセージを最後に使用不可能となった。「もっと重要な目的のため
に使用されるのだ」メッセージはそう告げた。

45
 Solは神について、愛について、UIについて考えを巡らせながら、Tombの前で
娘が戻るのをただひたすら待っていた。巡礼の仲間たちが戻ってくるのが彼の目
に入る。しかしそれでも、彼は動こうとしなかった。
 Sphinxの中へ入り込んだKeatsの意識は、Shrikeが嬰児Rachelを連れ、時間の
入り口へいましも入らんとしているところに出くわす。彼はメビウス・キューブ
の中に封印されていたergを解き放ち、自分の意識と融合させ実体を形成すると、
Shrikeの手からすんでのところでRachelを救い出した。Keatsとergの融合体では
Shpinxから脱出できるほどの力に欠けるため、誰か助けにくるのを待つことにす
る。
 BrawneとSilenusは、一歩一歩と近づいてくるShrikeの前で恐怖におののいて
いた。そこにMonetaが現れ、ただ一言、"Trust"と告げる。Brawneは最初とまど
うが、気がつくと中空を歩いていた。Shrikeの胸に体をゆだねると、その棘は体
の表面を傷つけるだけであった。BrawneがShrikeの体を押すと、それはガラス細
工のように固まり、砕け散った。
 Sphinxからひとりの女性が姿を現した。二十代半ばのRachelが、嬰児の自分自
身を抱いている。言葉を失うSolに、Rachelは赤ん坊が時間の逆行から解放され
たことを告げる。巡礼の仲間たちが周りに集まってきたが、Rachelを目にした
Brawuneは、それがMonetaであることに気づく。
 Rachel/MonetaはShpinxの中で自分が見てきた未来のことを語った。そして
Kassadを導くため、再び逆流する時間の中へと姿を消した。Solと赤ん坊の
RachelはMonetaの指示通り、Sphinxの中へ足を入れ、彼女が見た未来へと旅立っ
た。

 エピローグ
  ハイペリオンでは、Ousterと人類の共生が実現されつつあった。Brawne、
Silenus、Theoは、Consulの送別会のため集まっていた。思いでや、未だに解き
明かされないTombの謎について、話に花を咲かせる四人であった。その夜、
BrawneはKeatsの意識と遭遇する。彼は自分が"One Who Comes Before"であった
こと、彼女が宿している娘は"One Who Teaches"となることを告げる。彼が、存
在できる環境が無くなりつつある、と言うと、Brawneは「いい場所がある」と耳
打ちした。
 翌日、Consulは自分の船が妙な詩を吟じることに頭をひねった。Silenusはす
ぐにBrawneの仕業だと感づき、「旅の共になるだろう」と言った。そして一行は
Consulの船を見送るのであった。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ついに『没落』も終了! どうやってまとめるんだろうと思っていたそれぞれ
のエピソードが、ものの見事な大団円となりました。Rachelが戻ってくるところ
から号泣してしまい、字が見えない!

 前回分あたりまでは、どの局面も追い込まれて救いが見えない状態だったのに、
一挙に春がきたような、まばゆい結末でした。504ページのSolのセリフ、"By God,
it was all worth it, wasn't it?" は、ここまで読んでたどり着いた読者 に向けられた
言葉のようで、なんだか涙がでてしまいました。

 全体を通し、残酷なシーンも多かったのですが、巡礼の一行が自分の命も省み
ず、他のメンバーを思いやる様には、案外、作者のシモンズは性善説派なのかな、
という気も。「最後まで読んでよかった」と本当に心から思える作品でした。
(ところでまだ『エンディミオン』が届いていないんです。今月はじめにスカイ
ソフトにあとの二作を注文したのですが。一緒にオーダーした他のは届いたんで
すけど。
 というわけで、『エンディミオン』の進行役申請、もう少し後になります、す
みませんm(_ _)m>HAROUさん)

01/01/27(土) ・emu・ 

そうそう、ひとつ書き忘れていました。

 Moneta=Rachelという、想像だにしなかったMonetaの正体です。
 最初はずいぶん唐突な気もしたのですが、よくよく考えてみると、Rachelは
「父親Solが娘としての視点で」、Monetaは「Kassadが愛する女としての視点で」
それぞれ描写しているんですよね。第三者の視点はBrawneがRachelと会うまで存
在しないので、読者はまんまと作者の術中に陥ってしまうわけです。同じ女性で
も「娘」か、「愛する女」か、見る人間が違うと、こうも印象が変わるもんなん
ですね。意外な気がする反面、「愛する女」を「娘」のように思うことなんてで
きないわけですから(^^;)、当然と言えば当然の話。でもほんとに、まんまとひ
っかかってしまいました。シモンズさん、お見事!

01/01/27(土) ・emu・ 


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